北朝鮮の地震(9/23に発生)を自然地震か核実験かを判定できる?

こんにちは、三男です!
昨日北朝鮮で発生した地震(9/23 17:29)が核爆発によるものか自然地震によるものか話題になりました。中国地震局によると地震の規模を表すマグニチュードは3.4,震源の深さ0kmと発表されました。また韓国気象庁によると、観測された波形は自然地震によるものだ、として情報が錯綜しました。
社会の反応としては、
・自然地震で深さ0kmはありえない!核実験に違いない!
・韓国の情報なんて信用できない!
などの反応が多く混乱しているようでした。

わたくし三男は、実は地震の研究をしているため科学的に見て自然地震か核実験かを判断することは可能かを検証してみました。

結論としては、検証できないor自然地震による可能性が高い
という結果になりました。

具体的に見ていきます。
下の図は震源地だと思われる地点から最も日本に近い松江までの距離を表しています。
距離は約740kmです。



また、防災科学研究所(NIED)による地震観測点(赤点と青点)は下の図です。



震源から松江までの距離は約740km。
P波速度6km/秒とすると松江に地震波が到着する時刻は740/6で約120秒となります。
つまり、地震発生(17:29)から2分後(17:31頃)に松江で地震波が観測されます。
※P波速度は自然地震でも核爆発でも同じです。

以上を念頭に、上図の地震計記録を見てみましょう!

図の上側が北で、下側が南です。また赤線は17時31分です。
この時間に地震が見えてればいいんですが・・・
地震が小さすぎるため何にも見えません!

これでは、核爆発かどうかなんて調べようがありません。
日本の気象庁による「自然地震ではないような地震波を観測した事実はない」とはまさにこのことを言っているのです。

つまり、日本側としては現時点では調べようがないのでどうしようもありません。


それでは韓国による地震記録を見てみましょう。
※現時点では元の地震記録が公開されていないため報道発表に頼らざるをえません。

この波形を見る限り、通常の自然地震で発生する典型的なP波とS波が確認できます。
また核爆発では、その発生様式のためP波が卓越するためS波は相対的に確認しづらくなります。波形を見る限りS波も明瞭に観測されていることから自然地震の可能性があります。
※本来ならばメカニズム解や地震波の形状を詳細に調べる必要があります。

以上をまとめますと、

・現時点では、日本側のデータだけで自然地震か核爆発かを判定することはできない。
・個人的見解としては、自然地震の可能性が高い

という結論になります。これから各国で物理記録を共有するなどして更なる解析が進むことでしょう。

また、深さ0kmでも自然地震は発生しますので深さの情報だけでは核爆発だと判定することはできません。
いずれにせよ日本人は、ネットやSNSに踊らされることなく各国機関の情報を待つしかありません。

情勢がめまぐるしく変化する中、冷静になることが求められます!


三男







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